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地域に求められ、社員がワクワクする会社と料理を創るヒト/ GOOD DESIGN AWARD 2018受賞/Sfida Fabbrica代表 前田和彦さん

東京都中央区・日本橋馬喰町。
2018年2月3日、和ビストロMK MUSAI(無彩)がオープンしました。

2016年に創業した前田和彦さんにとって、軽井沢のRK GARDEN、東京・水天宮のMK Farmers & Grillに続く3店舗目。前田さんご自身は、イタリアの星付きレストランでの修行経験に加え、有名レストランのブランドシェフの経験もある、凄腕料理人です。

どの店も、料理はもちろんのこと、店舗デザインも素晴らしく、とりわけ1店舗目の軽井沢・RK GARDENは、今年GOOD DESIGN AWARD 2018を見事受賞。名実ともに、実力派の飲食系ベンチャー経営者として注目を集めています。

馬喰町にあるMK MUSAIは、私たちのモラルテックス・ラボから徒歩2分とほど近く、オープン前から情報交換をさせて頂いております。特に、代表の前田さんには、当社主催の第1回ワークショップ「繋がる街の育て方」にご登壇頂いた後、地域イベント「しましま日和」にも毎回ご参加頂くなど、様々な場面でご協力を頂いています。

そこで、今回の「街のコト」では、馬喰町に欠かせないお店の1つとしての地位を確立している、Sfida Fabbrica代表の前田和彦さんのインタビューです。スタッフの皆さんがイキイキと目を輝かせている秘訣をたっぷりと伺ってきました。

■創業のコンセプト:社名とクレドに込めた想い

―この度は、グッドデザイン賞受賞、本当におめでとうございます。創業から2年足らずで受賞とは、めちゃくちゃなスピードですね。

ありがとうございます。でも、軽井沢のRK GARDENは、元々あった店舗の経営を知人から引き継ぐ形で運営したお店です。もちろん、自分たちが入ることで、料理やプレゼンデーションは向上したと思いますが、自分たちだけの力で受賞したのではないと思っています。

―2年間イタリアに料理の修行に行かれた後、2011年の東日本大震災をきっかけに帰国されたそうですが、2年前の独立までの経緯を教えてください。

両親は自営業だったので、仕事と家庭が一緒という家でした。売上のことで喧嘩をする場面などを子どもながらにみていたので、当時は、将来自分が独立して経営者になるようなことは考えていませんでした。

ただ、イタリアでの修行から戻った後、レストランの料理部門トップではありましたが、このままオーナーにお伺いを立てながら仕事をし続けていいのか、という疑問はどうしても消えませんでした。60歳定年じゃ自宅のローンも払えないし、家族との時間も十分取れない。このままでいいのかなって。

当時、日常の仕事とは別にケータリングの副業をしていて、かなりの額を稼いでいました。正直、その利益は、妻にも内緒で貯金をしていたので。ちなみに、貯金は私の趣味なんですけどね(笑)独立できるくらいの資金が貯まったころ、今の軽井沢のお店をみてくれないかとの相談を受けたんです。

かつての同僚や信頼する後輩たち3人が「自分が独立したら、ぜひ一緒に働きたい」と言ってくれていたタイミングと重なったので、独立を決心しました。軽井沢のお店はケータリングにも力を入れており、ちょうど経験値のある分野でした。

―独立した時の目標や会社のコンセプトを教えて頂けますか?

独立して創業するにあたっては、1店舗のオーナーシェフになるのではなく、5年で10店舗を出店するという目標を立てました。ただし、まずは出店ありき、のような焦りで動くことはしないと決めています。

また、はじめからコンセプトを決めて物件を探すのではなく、あくまでも、希望するエリアや賃料等の条件から見つけた物件について、その周りの地域をよく観察して、「必要とされる」コンセプトを後から考えるようにしています。

「必要とされる」という意味は、具体的には「お客様が来店され、売上が見込める」店作りということですね。自分のやりたいことばかりを優先して、繁盛しない店を作らないということが大事だと思いますね。

また、スタッフと理念を共有するために、会社の「クレド」を決めています。会社名の「スフィーダ・ファブリカ」は、イタリア語で「挑戦する環境を創造し続ける」という意味です。スフィーダが言いにくいみたいで困っていますが・・・。新しいことに挑戦する人材を育てたい、という想いも込めています。

会社のクレドでは、まず「人」に関しては、「自分たち、仲間たち、お客様をワクワクさせたい」ということですね。自分たちがワクワクしないことには、お客様に喜んでもらうことはできませんから。まさに、挑戦し続けることにモチベーションを維持できる仲間を求めています。

また、「仕事」に関しては、「タスクより成果にこだわる」ことにしています。自分やお客様の満足を優先すると、売上や利益がおろそかになることが多くあります。「自分たちの成長の証拠が利益である」という考え方を浸透させたいと思います。

さらに、休みも重視したいポイントですね。平均週休2日を目標に、まず経営者・管理者が率先して休むことにしています。余裕がないと、新しいアイデアも、チームワークも生まれませんから。

―前田さんらしいクレドですね。経営者の言葉と行動に一貫性があって違和感がないから、スタッフのモチベーションも高いのだと思いました。私も見習っていかなきゃいけませんね。とても刺激になりました。クレド、考えます(笑)

 

■馬喰町・和ビストロMK MUSAI出店と地域との関わり

―それでは、2018年2月に、3店舗目のMK MUSAIを馬喰町に出店されましたが、その経緯とこの地域との関わりについて教えてください。

水天宮にある2店舗目がうまく軌道に乗っていたので、この近くで駅2分以内、手頃な賃料で、やや大きめの物件を探していました。馬喰町周辺は、古くからある問屋街と新しいお店が混じり合っていて、街の雰囲気が好きになりましたね。

任せようと思っていた今井さん(現MK MUSAI店長)の得意分野は、和食と洋食です。近隣に同じテイストの店がないことから、和ビストロというコンセプトを立て、店作りをしました。

オープンしてから来店されるお客様の動向は、やや保守的な印象で、年齢層も水天宮に比べて高いと思います。ランチは、会社員の方、仕入れに来られた方など、会社関係が中心ですね。夜は、会社の方と近隣の方でしょうか。ただし、近隣の方はあまり外食されないのかなという印象ですね。

ですから、近隣・地元の方のリピート率よりも、遠くから来店されてファンになり、何度もご来店いただくというパターンの方が多いかもしれません。ただし、地元の集客力が低めなのは、賃料が安いということもあり、一応想定内でした。

―保守的というと、具体的にどんなところからそう感じますか?

例えば、都内の他の地域だとクーポンやチラシというのは、すでにあまり効果がない手法になっていると思うのですが、この地域だと効果抜群ですね。紙のクーポンを持参頂く方が多いのには、本当に驚きます。

今のところ、結構な効果があるので、クーポンやチラシは継続しています。もちろん、私がポスティングに行くこともありますよ。やはりトップがやらないと、下はついてきませんからね。

彼らの生活の責任も背負っているので、成果が出ることは率先して取り組む姿勢を見せるようにしています。スタッフには、独立したいという私のわがままに付き合ってもらっているという気持ちで、いつも感謝しています。

―自ら率先してやっていらっしゃるのですね。ランチも満席のことが多いですよね。とてもランチが美味しいので、クーポンなしでも、すでに多くの方に知ってもらっている印象があります。

でも、もしかしたら、「和ビストロ」というのが、どんな料理が出るのかわかりにくいのかなとも思っています。この地域の方は、新しいものを受け入れるまでに時間がかかる気がします。単なる和食だったら、もっと早く流行っていたかもしれません(笑)

ちなみに、来店されているお客様や地域を観察すると、MK MUSAIの場合、来店される方はビジネスマンの方が多いので、近い将来、お弁当をやろうと考えています。予約制にはなると思いますが、うちの「ハラミランチ」がお弁当で食べられたら魅力的だと思うんですよね。そうして、うちのお店を利用する方をもっと増やしていくつもりです。

―お弁当は魅力的ですね。ぜひ、私も予約したいです。ところで、継続してモラルテックスのイベントにご協力頂いておりますが、地域のつながりという意味では、いかがでしょうか?

地域に必要とされるお店を作るということをコンセプトにしているので、地域の経営者の方を含めた皆さんとの交流は大切にしていきたいと思います。また、この地域では新規参入になりますので、色々と情報交換しながら、行く道をみいだしていきたいですね。

このエリアは、良いお店があっても点在しているので、この店のためにここに来たというような指名店にならないといけないのが現状です。モラルテックスの鳥山さんは、タオルをキッカケとして地域をつなぐ活動をされているので、これからも頑張ってもらいたいです。

■前田さんの次なる夢は?

―今後の展望としては、どんなことを考えていらっしゃるのですか?

軽井沢のお店は好調なのですが、野外のスペースを活用する都合上、雪深い冬の期間はどうしても閉店せざるを得ません。その期間中、できるだけ現地スタッフの雇用を守るために、小さなドーナツ屋さんを最近オープンしました。軽井沢にはドーナツに特化したお店はないようなので、ぜひ成功させてフランチャイズをしようかとも思っています。

また、水天宮・馬喰町が順調にきているので、このエリアにもう1店舗出店し、3店舗を1人に任せる形をとりたいと思っています。幹部の3人がそれぞれ3店舗見ることで、目標の10店舗が見えてくるかなと思います。ま、まだ焦って出店しようということではありませんし、日本のマーケットだけでやるのは、この先しんどいと思っていますので、都内での出店は3店舗までかもしれません。

夢という意味では、東南アジア、例えばインドネシアは魅力的な地域ですね。日本企業も多いし、人口も世界第4位。拡大するマーケットだと思っています。また、沖縄出身のスタッフがいるので、例えば石垣島に店舗を出すのも面白そうだと思いますね。色々アイデアは温めています。

―オーナーシェフとして、1つの店の看板シェフであることよりも、独立して経営者を目指された理由を、改めてお聞きしてもよろしいですか?

料理人の最終ゴールは自分のお店を1つ持つこと、という常識を破って、誰よりも料理のできるシェフであり、誰よりも売上と利益を生み出す経営者でもある、シェフと経営者を両立できるということを証明したい、というコトですね。

私は料理人としての経験が長いですから、料理人がどんなことを考えているのかは一番わかっているつもりですので、そういう自分が経営者でいることは、シェフにとっても働きやすいのではないかと思います。

スタッフには、常に「売れる店を作りなさい」「地域に必要とされる店を作りなさい」と話しています。スタッフに、1店舗のオーナーシェフが終着駅じゃないということを体感してもらい、挑戦し続ける人材を育成する会社に成長したいと思います。

―軽井沢といえば、私の憧れの経営者である、星野リゾート代表の星野佳路さんのお膝元ですが。お会いされたことはありますか?

一度、軽井沢のお店でケータリングをした時に、星野さんとご挨拶したことがあります。あれだけ成功されている方なので、地元でも賛否が分かれていますが、尊敬できる経営者であることは間違いないですね。もう少し若ければ、星野さんのところに一度入社してみたいですよね。いつか、自分のお店に招待できるように頑張りたいです。

星野さんは、後継者として会社の立て直しをされ、今の規模まで成長させていますが、書籍などを読むと後継者の苦労を感じます。モラルテックスの鳥山さんも、後継者として家業を継がれて、さぞ大変だろうなと想像しています。

創業者は自分勝手にできますが、後継される方は、すでに長い歴史があるのですから、何を変えるにしても、想像を絶する決断とパワーが必要でしょうね。両親と仕事をするなんて、今でも考えられません。

星野さんも外部の力を上手に使っているように思いますので、鳥山さんも外部のアドバイスを上手く利用されるといいかもしれません。

―外部の力、ほんと重要ですね。お忙しい中、長時間のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。創業者と後継者という立場は違いますが、この地域で経営するものとして、今後もコラボレーションさせていただけたら嬉しいです。本日は、ありがとうございました。ランチデザートも、とっても美味しかったです!

こちらこそ、同じ地域の経営者として、引き続き、情報交換していきましょう。よろしくお願いします。今日は、ありがとうございました。

***

前田さんのお店に行くと、店内の雰囲気や美味しい料理だけでなく、スタッフの方の接客にも癒されます。ぜひ一度、馬喰町のMK MUSAIにおいでください。少々わかりにくい場所なので、わからない方はモラルテックス・ラボへどうぞ♪

ちなみに、表紙はちょっとおどけすぎたので、真面目な2ショットはこちら。仲良し!

<本日ご紹介した前田和彦さんのwebsite>

Sfida Fabbrica  https://www.sfida-fabbrica.com

RK GARDEN  https://www.rustic-kitchen.net

MK MUSAI   https://www.rustic-kitchen.net/musai

 

<過去にご参加いただいたワークショップ・イベントの記事>

ワークショップ https://www.moraltex.tokyo/event/20180301_workshop1/

しましま日和(春)https://peraichi.com/landing_pages/view/shimashimabiyori

しましま日和(秋) https://peraichi.com/landing_pages/view/shimasimabiyori-2018autumn

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<記事執筆>

モラルテックス代表 鳥山貴弘

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